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空の下に座す大きな御方を訪ねる務め

物語空を見ていた御用帳鎌倉殿より、本日の務めを申し渡す。そう記されているはずの御用帳が、その朝に限って文机の上になかった。御家人が見つけたのは、縁側の端である。帳面は閉じたまま、屋根の外へ半分ほど突き出していた。夜露を受けたらしく、表紙には...
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波が三度戻るまで、何もしない務め

物語御家人は、その日の務めを三度読み返した。一度目は、読み違いを疑った。二度目は、裏に続きがないか確かめた。三度目は、御用帳の方が間違っている可能性を考えた。前浜へ赴き、波が三度戻るまで何もするべからず。ただし、波に拾われてはならぬ。「何も...
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最後の一つを、誰の分にするか決める務め

物語朝、文机の上に小さな紙片が置かれていた。白い紙である。御用帳ほど重々しくもなく、巻物ほど仰々しくもない。ところが、そこに書かれていた内容はなかなか面倒だった。横路の菓子処へ赴くべし。五つ並ぶ甘い板のうち、最後の一つの行き先を決めよ。ただ...
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誰かの代わりに抱えたものを、石へ返す務め

物語黒い石が一つ、御用帳に挟まっていた。頁を閉じるには厚すぎる。栞として使うには重すぎる。なにより、なぜ帳面の中に石があるのか分からない。御家人は石をつまみ上げた。丸くもなく、平らでもない。どこにでも転がっていそうな小石だったが、手の中に置...
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八の字から逃げた一羽を連れ戻す務め

物語朝、御家人は赤い橋を渡れなかった。橋が壊れていたわけではない。細い川が増水していたわけでもない。欄干から道の中央まで、鳩が隙間なく並んでいたのである。「退け」御家人が言うと、最も近くにいた鳩が胸を膨らませた。「退けぬ」「ここは橋だ。鳩の...